
七福神は知っているけど、「八福神巡り」って何?という方、実は少なくありません。
八柱の神様を巡って福を授かるというスタイルは、今や東京の下町などを中心に広がりを見せています。
でも、そもそも「八福神巡り」ってどうして生まれたの?
なぜ“七”ではなく“八”なの? どんな意味や背景があるの?
この記事では、「八福神巡り」の起源や文化的な背景を掘り下げながら、“八”という数字に込められた日本人の価値観、そして現代の八福神巡りが持つ意味について、丁寧に解説していきます。
目次
七福神との違いではなく「地域文化としての八福神」を見る
よく「七福神と八福神、どっちが正しいの?」という声を聞きますが、実はそういう問題ではありません。
七福神は仏教・道教・神道といった宗教を越えて構成された、福の象徴としてのスタンダードな存在。
一方、八福神はその形をベースに、地域に根ざした信仰や地元の神様を加えた、ローカル色の強い巡礼スタイルなのです。
つまり、八福神は「七福神+α」ではなく、地域文化の発露なのです。
そこには、歴史、信仰、そして人々の生活に密着した“思い”が込められています。
八という数字に込められた“願い”と“祈り”
日本では古くから「八」という数字は特別な意味を持ってきました。
それは単なる“縁起が良い数字”という以上に、精神的な象徴性があるのです。
八は「無限」や「すべて」を象徴する
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「八百万(やおよろず)の神」=あらゆるものに神が宿るという考え方
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数字の8が持つループ(∞)の形=終わりなき繁栄
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山や谷の名称に多い「八(やつ)」=自然の調和や拡がりを表す
このように、“八”は日本文化の中で、あらゆるものを包み込む広がりやバランスを象徴する数字です。
「福」を授かる旅において、八という数字は「人生のあらゆる願いが叶うように」という、包括的な願望の表現として受け入れられていると考えられます。
巡礼としての八福神|歩くことに意味がある
八福神巡りが注目されている理由のひとつに、「歩くこと」に込められた意味があります。
巡礼とは本来、“移動”そのものが修行であり、願いを叶えるための精神的プロセスなのです。
七福神巡りでは通常、半日~1日で回れるコースが設定されていますが、八福神になると1社増えることでより深い没入感が得られます。
そして、歩く道中では:
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普段見過ごしていた街の景色に気づく
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神社の歴史や由緒を学ぶ
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人と出会い、会話し、心がほどける
つまり、八福神巡りとは「福を得る」だけでなく、「日常の中で忘れていた心の豊かさに触れる」体験でもあるのです。
神社を増やす=ご利益を増やす、ではない理由
「神社が増えた分、ご利益も増えるんでしょ?」と考える方もいるかもしれません。
でも、実は八福神巡りは“ご利益の多さ”だけが目的ではありません。
むしろ重要なのは、その土地の人々がどのように信仰と向き合ってきたかを知ること。
第八の神様が加えられた理由は、多くの場合、歴史や地元の伝承に基づいています。
たとえば:
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地元で安産の神として古くから信仰されてきた水天宮
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大火や震災から人々を守ったとして語り継がれる小網神社
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商人の町で繁栄の象徴として崇められた住吉神社
こうした背景を知ることで、**その土地にしかない“福のかたち”**が見えてくるのです。
まとめ|八福神巡りは、土地と人の記憶をめぐる旅
八福神巡りの本当の魅力は、「なぜ八なのか?」という疑問に向き合うことで、私たちが普段見落としがちな信仰と地域のつながりに気づけることにあります。
「八」という数字には、無限、拡がり、そして調和という意味が込められています。
そして、地域ごとに異なる構成の八福神は、それぞれの土地で人々がどのように神様と生きてきたかの“記録”でもあります。
神社を巡ることは、ただの観光ではありません。
それは土地の歴史と人々の想いを感じる、静かで深い旅でもあるのです。
次に八福神巡りをするときは、「なぜこの神様がここに祀られているのか?」という視点を持ってみてください。
きっと、より豊かな体験ができるはずです。

